VRで映画を観る

VRで映画を観る

4/15から4/26までニューヨークで開催されていたトライベッカ映画祭でオキュラスVRが制作した短編VR映画が上映されたそうです。また、大手映画会社によるVR映画の制作がいくつか進行しており、昨年大ヒットした映画「マレフィセント」のロバート・ストロンバーグ監督は現在積極的にVR映画作品に取り組んでいるそうで、すでに1本の長編VR映画が公開予定とのことです。ストロンバーグ監督は映画「アバター」でも舞台美術のプロダクションデザイナーをつとめていましたし、映画の観せ方に強いこだわりを持っているようですね。そういえば「アバター」が公開された当時これから3D映画は映画の主流になるだろうなんて言われてましたが、現在の状況を見ると一般的にはなりましたが主流とは言い難いです。VR映画も物珍しさはあるので最初は注目を集めそうですが、スタンダードなものになるかどうかと言われると少し厳しいかもしれないですね。そもそもどういう公開の仕方するんでしょうかねVR映画って。専用端末に配信のみ?それとも劇場で全員VRゴーグル手渡されてつけるんでしょうか。と、まぁ色々興味の尽きないVR映画ですが、短編であればスマホとVRゴーグルがあればもうすでに観ることができるので、ご紹介しましょう。

「Insurgent VR」
インサージェント

近未来、人々が選別・管理されていく社会で反逆者として生きていくことを余儀なくされた主人公を描いた人気シリーズ映画「ダイバージェント」のスピンオフ短編映画。映画を観ている“あなた”は政府に囚われ、過酷な状況下を疑似体験させることでその人間の本質を図る装置「シミュレーター」にかけられてしまい…というお話。本編で派閥のリーダー役を演じるケイト・ウィンスレットも登場。映画の登場人物になったように感じることができる作品です。

「11:57」
1157

うす暗い地下室?のような場所でひとり佇む“あなた”。でも数分後あなたはきっと一人でいた方がよかったと思うだろう。彼(又は彼女)らがここに現れるくらいなら…。
悪夢を映像化したようなホラー短編作品。整合性がとれていない不条理な恐怖は、デイヴィッド・リンチやクローネンバーグの初期作品を彷彿とさせます。

VR映画は観る人が主観視点つまり映画の中の「誰か・なにか」になるシチュエーションが大半となるようですね。通常の映画のように決められたカメラワーク=視点を限定すると360°視点の意味が無くなってしまうため、映画内で視点を自由に動かせる状態でなければならないからです。これはVR映画にとって長所であり短所になりそうな点ではないでしょうか。映画の登場人物の一人となり物語を“体験”できるのは魅力的な要素です。反面、登場人物の一人になると他の登場人物の状況や別の場所で起こった出来事を自然に把握することが難しいため状況説明が助長になってしまったり、物語は常に進行しているので周りの景色を見ていたりうっかり目を離すと物語についていけなくなったりしてしまわないだろうかと感じました。あと長編映画となると普通だいたい90分から120分くらいありますが、VR酔いせずラストまで観ていられるのだろうかという不安などもあります。
後半「大丈夫か?」という点ばかり挙げてしまいましたが、楽しみにしているがゆえに思ったことなので、期待して公開を待っていましょう。

関連記事:『VRで映画を観る ②』

■アプリリンク:

Insurgent VR
Googleplay / 無料)
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11:57
Googleplay / 無料)

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